美形悪役が好きだ:
「未来警察ウラシマン」ルードビッヒ

2021/08/01

美形悪役が好きだ - 未来警察ウラシマン:ルードビッヒ

 1983年TVアニメーション「未来警察ウラシマン」その昔、たまたま観た。

 Wikipediaで調べたら 私が観始めたのは第13話「過去にささったトゲ」からである。
 つまり放送開始時間が日曜18時から土曜18時30分に変わってからね。
 なぜ観始めたのかと言えば、記憶が無い。
Wikipediaさーん!
 フジテレビ土曜夕方6時台枠のアニメ

 そうか「ななこSOS」の初回が18時からあったのか。どんなもんかと観ていたのだろう。(まるで覚えてないけど。吾妻ひでお先生「失踪日記」好きです。)
 そのままの流れでウラシマンか。

 ウラシマン、オープニングがカッコ良い。当時としては、とても洒落て見えた。それまでのアニメとは違い、垢抜けた曲(シティポップ風?)もすごくいい。全体いいけど、ネクライム側のカット、アメリカ禁酒法時代の映画の雰囲気がとても私の趣味。何、これ?とカッコ良すぎたので、そのまま視聴。

 そして本編「過去にささったトゲ」ですよ! ルードビッヒ様ですよ! やられましたね。
 主人公に敵対する悪の組織のナンバー2、薄白い顔の美男子、物静かな立ち振る舞いの男が過去の女を回想する。声から滲み出る色気がたまらない。
(時間帯変更の初回にこれを持ってくるのは、製作側の策なのかな?と、今にしては思う。まるでルーちゃんが主人公のようじゃないか。)
 次週から欠かさず観ましたよ、そりゃ。エンディングもノリノリですごくよろしい。
 美形悪役、もー大好き。昔の女を引きずってる甘ちゃんなとこも可愛いね。声優は塩沢兼人さん。

 私はロボットアニメには興味が薄い。が、機動戦士ガンダム(1979)は再放送で観た。評判が高かったから、どんなのかなと思って。塩沢さんの演じたマ・クベはそんなに印象強くは無い。男として魅力的、と言う意味で。名前からしてシェイクスピアの「マクベス」からなんだろうな、と思うくらいで。ガンダムはシャアがカッコいいからね。
 塩沢さんをハッキリと認識したのは、戦国魔神ゴーショーグン(1981)。これは何で知ったか、覚えてない。OUTだろうか。美形の悪役がカッコいいと知り、観てみる。ブンドル、少女マンガに出てきそうな金髪ロングヘアの白馬の王子様タイプのナルシスト、なるほど女性ファン付くな。塩沢さんの声がよく似合う。過剰なまでの美への執着と、それを元にしたキャラクターは美しくもあり、かわいらしくもあり、コミカル。ブンドル見たさにゴーショーグンは時々観てた。
 私にとって「塩沢兼人」は上記2人のキャラクターしか知らなかった。

 がっ! ウラシマンにおけるルードビッヒ、これは⋯これは⋯! コメディベースの主人公側に対して、あくまでもシリアスな悪役側、まあシリアスへの中和剤としてちょっとマヌケな部下ジタンダがいるが。あくまでも品良く、淡々と、己が野心に燃える男、たまりませんわ。塩沢さんの声が、声が、あまりにもベストマッチ過ぎて、ルードビッヒのキャラクターは完璧に私の心を捕らえた。
 できれば最終回までに「さらばだ、ジョセフィーヌ」と言って、時計を捨ててくれる事を期待してたんだけど、それは無かったな。

 本題であるタイムスリップしてしまった主役のウラシマ・リュウとネクライムの総統フューラーの関係も気になるけど、ドタバタなお子様向けの内容の時には興味が湧かなかった。まあ基本が子供向けだから仕方ないんだけど。

 第48話「ルードビッヒの最期」に涙して、でもカッコいい終わり方だから良かった。
 告白します。当時私、ファンレター出しました。多分TV局に。カッコよく死なせてくれてありがとう、と。ウラシマンに限らず、そんな事をしたのは後にも先にも1度きり。若かったわー!
 最終話「サヨナラ2050年」で、えっ、それアリ? でも許すわっ!と。

 当時の作品の評価は知らない。アニメ雑誌はあったが、私は特に購読してなかったし。
 70年代後半のロボットアニメにおいては美形悪役が登場していたようだけど、それらには興味が無かったので、ロボットの出ない、SFアニメとしてウラシマンを楽しく観ていた。

 そんなわけで、ウラシマンは1度観たきり。その後も再放送などあったようだけど、気付かずに数十年

ウラシマン設定集

 前半観たいなーと思う気持ちはあれど古いTVアニメだし、そんなにメジャーじゃないからレンタル店にもDVDは置いてないし⋯⋯なんて事をここ20年くらい思ってたわけで。

 YouTubeに、あったわタツノコチャンネルに1〜3話 だけが。
 とーぜん、観る。ただオープニング、エンディングが無いけど。
 そうか、初回はこんなんだ。あ、続きが観たい! 観たい! 観たい!
 YouTubeには他にもありそうだったけど、公式以外のは著作権侵害だよね。それは好まない。

 そこへ友人の甘いささやき
「dアニメだと古いの、結構あるよ。えーとウラシマン・・あ、あるよ」。
 dアニメストアか・・定額見放題とかってのは、今まで利用した事はない。結局そんなに観ないだろーと思うので。が、ウラシマン観たさに契約してしまった。安かったし。

 そして何十年ぶりかの邂逅。結局、半月くらいで全50話観てしまった。
 1983年の作品だから時代だわー。まぁ当時の未来想像図だから、色々つっこんじゃいけないか。
 うん面白い! 1回観たきりだから、ルードビッヒ関連意外のエピソードはほぼ覚えてなかったけど。(作画が、うにゃうにゃな事も多いけど)特にネクライム団が。
 ルードビッヒ、自ら「悪の美学」なんて、口にするのはちょっと小っ恥ずかしいけど、信念ありきの行動は美しいわ。
 下克上していくルードビッヒがいい!サクセスストーリーてのは、ワクワクするもの。それが犯罪組織トップを目指すものだとしても。抑えた演技と色気のある声が、なんて魅力的なんでしょ。塩沢兼人さぁーーん!!(合掌)

 43話「栄光のルードビッヒ」ネクライムの全権掌握して、去ってゆく後ろ姿。流れるテーマ曲。悶絶もんのカッコ良さ!
 テーマ曲 Crystal Knights NECRIME(クリスタル・ナイツ・ネクライム)
 ナイツって、アニメの音で聞いているときには nights(夜) かと思ってた。
 Knights(騎士) なんだね。どうして水晶の騎士? 英語でなんか意味あるんかな?

 組織の旗にもそれっぽい絵柄も無いしね。
 "Crystal Knights" Meaning で検索してみれど、わからず。

 代わりに「未来警察ウラシマン」(のルードビッヒを中心にした)考察のあるブログなど発見。

未来警察ウラシマン(待ってるよ、ベイビー!アマグリあれこれ日記)

ウラシマン全話視聴(ignis-aqua BLOG)

 含蓄ある内容で、楽しかった。ネタバレが含まれているので、本編見終わってから読むのをオススメ。

 ミレーヌも素敵。いい女、北浜晴子さん。低い声の女性に弱いわ、私。
 ルードビッヒとミレーヌの関係もエロティックでいいわ。匂わせる事すらないけど、雰囲気読むなら男女の関係よね。過去のトゲがあろうが、それはそれ、これはこれ、ってもんでしょ。

 48話でのミレーヌの後ろ姿のヌード、もっと柔らかく綺麗に描いて欲しかった。あれ、硬すぎ。ちゃんと女性モデルの後ろ姿のデッサンしてよ。それともキレイに描きすぎると夕方のお子様アニメとしては色っぽすぎるから、意図的なのかな?

 スティンガーウルフも渋くてカッコいいわ〜。玄田哲章さんの声も大好き。忠義の心に泣ける。
 ジタンダは、うん、頑張ったね。ギャグ部門担当だったけど、最終回は良かったよ。

 観終わって・・なんだか熱に浮かされてしまったよう。
 ルードビッヒが素敵すぎて、ときめいてしまう。
 ときめく心なんて、もうどれほど無かった事か。
 そのままオープニング曲だわ。

 熱に浮かされて、2017年刊行の設定資料集を中古で探して購入してしまった。中古なのに定価とさして変わらないって、何でや。発行部数少ないから? 市場に少ないからか。
 なんだか初恋のように気もそぞろ。いや、初恋はルーちゃんじゃないけど。

 現在、ウラシマンの2回目の視聴を開始しているけど、いっそ中古のDVDボックスを買おうかと悩んでいる。
 気に入った映画のDVDをいくつか持ってるけど、まさか全50話のTVアニメのDVDなんて買った事、ないぞ。
 Blu-rayボックスは2012年と2017年で2回出ているけど、ネット上で探せる中古品は2012年発売の物ばかり。これはパッケージイラストがヘタすぎて買う気が起きない。
 DVD、どーしよーかなー?

 さておき、ウラシマン本編で気になった点が2つ
(実働3人で、どーやって組織犯罪の集団を逮捕するんだ?とか、
主人公を殺したいならパトロール中に遠くから狙撃すりゃいいんじゃない?とか、
リアリティをツッコんでたら、子供向けアニメとして成立しないので横に置いておくとして)

 45話の暗殺者の時、自分の命が危うく、主人公のリュウは暗殺者の額に銃口を向けた。身体でなく額、というのは「あきらかな殺意」。ひどく違和感を感じた。額をブチ抜いて生け捕りはありえない。そこに躊躇ちゅうちょはないの?
 今まで銃撃戦はあったけど、明確に「殺した」と思えるシーンは無いでしょ。設定、16歳だし。
 その後の演出のための「額」なんだけど、あそこは身体を狙ってほしかった。
額ならせめて「 俺、あいつを殺そうとしたんだ」ってセリフくらい、欲しかったな。
「ダンナ、仕方ないよ、あの場合は」みたいにクロードがフォローするとかね。

 48話、クロードの銃口はルードビッヒの心臓を狙う。
 そもそも交通管制隊の警官だったわけだから、そうそう人を撃つ事はなかったハズ。どこかの国のようにちょっと怪しいだけで警官がバンバン拳銃撃って市民を殺すような治安の悪さじゃない限り。そしてネオTOKIOの治安は良さそうだ。
 人の心臓を狙って撃つなんて、多分初めてなんじゃないかな?
 狙いながら「ダンナ、俺も人を殺すのは初めてなんだよ」くらい、欲しかったなー。世界の滅亡を防ぐためとはいえ、相手はモンスターでもクリーチャーでもなく「人」なんだから。

 子供向けであるのなら、なおさら主人公側(正義側)に、その行為の重さを表現してもらいたかったな。
 って、悪役のルーちゃんに惚れてる私が書くのもナンだけど。
 悪役に心奪われるのは、フィクションならではでしょ。
 まあ、ひたすらルードビッヒが魅力的、という未来警察ウラシマンのお話。

 そういや、2012年に東京MXテレビで「タツノコプロ名作アニメ総選挙」てのがあったらしい。
 エントリー10作品の第1話だけを放送して、続きが観たい作品を選ぶという企画。
 1位がウラシマンで再放送されたそうな。東京MXなんて、電波入らんわ!

※当初、Wikipediaを読んで「ルードヴィッヒ」と思ったが、よくよく考えれば、サブタイトルは「ルードビッヒ」だし、関連書籍を見ても「ルードビッヒ」。
Wikipediaの人物紹介の表記のせいで、表記揺れになってる。なので「ルードビッヒ」に直した。

→ルードビッヒ 2

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