翻訳ミステリー

2024/09/22

雑記 - ただの、つぶやき

 図書館で借りてきた小説を読んでいると、家人に「なに読んでるの?」と聞かれた。この場合、著名な作者やタイトルであればそれを口にするが、そうでなければジャンルを答えるのが妥当であろう。相手が知りたいのは具体的な名称ではなく、どんな内容なのか、なのだから。

(ちなみに「どんな本が好きですか?」とか「どんな音楽が好きですか?」の問いに「なんでも読む or 聴く」と答えが返ってくるのは、がっかりだ。大抵の場合、それは答えになっていない。こんなジャンルが、作家が、歌手が、奏者が、作曲家が、と情報を与える気が無い、つまりはコミュニケーションする気が無いんだろうと思ってる。なんでも好きなんて、食べ物の話じゃあるまいし、ちったあ好みがあるだろうが)

 私は家人に「フレンチ・ミステリー」と答えた。すると「なんでフレンチって前に付くの?」と疑問がくる。確かに、そうだな。アメリカ・ミステリーとかイギリス・ミステリーとかいう単語はあんま聞かないなぁ。日本においては英語圏の翻訳ミステリが多いから、それと区別するために言うんじゃないのかな? と答えておいた。
 一応、その後でネットで調べてみると、フランスのミステリーはトリックとか謎解きとか、日本で言うところの「本格ミステリー」よりも、ドラマ性、関わった人間たちに重きをおいている事が多いらしい。へえ、そうなんだ。

 なんでフレンチ・ミステリなのかと言えば、現在書いている小説でキャラクターがミステリ好きという設定だ。んが、自分自身は翻訳ミステリを久しく読んでいない。で、ネットで調べたおすすめの(つまりは売れているであろう)フレンチ・ミステリを図書館で借りて読んでいるわけだ。
 どうして翻訳物が久しいかと言えば、高校生の頃だったか? ミステリではなく文芸系だったかもしれないが、翻訳物で退屈した事があった。面白くないなー、元が良くないのか、訳者が良くないのか、わからない。やっぱ翻訳は難しいよなー、と日本人作家の方へ舵を切ったからだ。それ以降は、ミステリーに関してもほとんど国産のものを読んでいたと思う。あれから数十年⋯⋯。(あ、いや、古典とも言える『黄色い部屋の秘密』と『幻の女』はちょい前に読んだか)

 やっぱ最近のやつを読んで、ふんわりと現代の傾向を知っておかなければ、と21世紀になってからのフレンチ・ミステリを読んでるわけ。今、5冊ほど読んだか。手元にあと2冊、他に予約取り寄せ(近所の図書館は小さいので、ロクに置いてない)したのが4冊か。
 まあ読んでいるわけだが、ふと疑問に思った。翻訳ミステリなのに自分にはおなじみの「ハヤカワミステリ文庫」や「創元推理文庫」ではなかったのだ。あっれー、翻訳物ならこの2社がメインじゃないのー? おすすめで紹介されていた本は、どちらの出版社でもない物ばかり。なんかくやしいので、それぞれの出版社のウェブサイトで調べて、最近の本を予約に3冊入れたよ。

 今のところ、読んでて強く心に刺さった作品は無かったかなー(おおっ、とした叙述トリックはあったけど。反則ギリギリじゃないか?)。偶然かもしれないが、なんか猟奇的な殺人とか、陰惨な空気感が多くないか? これはフランスに限らず、現代的にそうなのかなぁ。
 口直しにカトリーヌ・アルレーでも読みたいところだが、手元にある本を読むよ。次は『恐るべき太陽』か。クリスティーへの挑戦作だって。おもしろそ。
小説の匣

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