先に書いたように資料としてフレンチ・ミステリーをちょこちょこ読んでいるのだが、検索に引っかかった松村喜雄 著『怪盗対名探偵 フランス・ミステリーの歴史』に興味が出て、読んでる途中。(Wikipediaで見たら、著者の母は江戸川乱歩の、いとこ)
この本は発行年が1985年と古くはあるけど、ざっくり知っておきたいなと思い、2段組の小さい文字(ほんと、小さいの! 拡大グラス使用しても小さいの!)に目を疲れさせながらも、読んでる。
ちなみに表紙が写真の通りだったので、図書館で取り寄せ予約本として渡された時は(あれ? 洋書じゃないよな?)とあせった。本のタイトルがどこにも無い。おそらくは当時刊行された本の表紙イラストのみ。中身は日本語。
一般的に、推理小説はアメリカのエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』から始まった、とか聞くけれど、そのポーへ至るまでのフランスの新聞連載小説(フィユトン)、さらにその多くの類型を作ったと思われる、フランスに実在した人物フランソワ・ヴィドックの『回想録』について言及してる。なかなかに面白い。
著者は外交官でもあったため、名探偵が推理をめぐらす探偵小説がイギリス・アメリカで好まれ、しかしフランスではそうではなかった理由を、社会制度による警察権力の構造の違いの上で考察していたりする。
ただ、読者も分かっているだろう、の体で出てくる内容もあり、ちょっと読みづらい部分はあるかも。読みながら人物や単語をWikipediaで調べてる。ヴィドックって、誰さ? 後の章で書かれてはいたけど。
古い本だから、現在ではなかなか耳にしない単語も出てきた。中間小説(笑) この単語、知ってる人はおそらく同年代以上? 最近は、とんと聞かないなー、中間小説。(純文学と大衆小説の中間に位置する小説、て意味)死語かな?
で、論じられてる作品は、古い物だと知らないのばかり(まだ半分も読んでない)。とりあえず高校生ぶりにポーを読み直したけど。他にも色々と読んでおきたい小説『ルルージュ事件』とか『ファントマ』とかが出てきて、どんどん横道にそれていく⋯⋯。
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