満月のアリア:あとがき

2022/01/05

二次創作 - 満月のアリア

 この作品のテーマは、愛だよ、愛!
前2作での伏線も回収。「満月のアリア」単体でも読めるので、お気にせず。

 元となったTVアニメでは、ルードビッヒ2023年、西ドイツ生まれ。アニメ雑誌「マイアニメ」1983年6月号によれば、西ドイツ南部地方出身、とまであった。
 作品制作の1983年では、そうだった。まさか1989年にベルリンの壁が崩れ、1991年にソ連消滅など、誰に想像できようか。ソ連のペレストロイカが始まったのだって1985年だ。(東ドイツとソ連の関係は歴史を参照)
 そんなわけで史実と違い、2025年にベルリンの壁崩壊とした。

 いやあ「形の無い月」書いてる頃から悩んでいるのは、犯罪組織の運営方法。普通に週休2日じゃないよね? シフト組んで、常時人がいる形だろうか、とか。有給休暇はあるんだろうか、とか。奴隷的な扱いをしたら、人は集まらないし、逃げ出す者だっているだろう。第一、上部への尊敬も、忠誠も起きない。裏の世界なんだから、それなりに高給じゃないと旨みも無い。
 マフィアの事を調べても、そういう福利厚生の事は書いてない。うーん。荒事の現場の人間だけじゃ、組織は回らないし、管理部門だってあるよな。トップに盲従する人間なんて、カルト集団くらいか。

 さて「形の無い月」は、部屋から出た女で終わる。今回は、部屋に残された男の話。
 おしゃべりな女は、使いやすい。ナツミはそのための配役。あと、ヤブヘビしてくれるし。女は、たくましい。
 ルードビッヒの「命をかけたダブルトリック」、どんなトリックやねん、と思わない事も無い。生と死、の二択じゃ無いよな、まともに食らったら。生き残っても、神経とか切っちゃったら、不自由な身体になる。まあ、そこんとこは深く追求しないけど。

 作中のキャットのセリフは、そのまま、自分の感想。あの墓の配置、わかっていてもキツいわー。胸にグサグサくるよ。

 黄色い竜のマイセンのコーヒーカップ、昔、欲しかったんだよな。常連のコーヒー屋(喫茶店、との言い方はしない。店主も客も)に置いてあって、使わせてもらった事もある。デミタスカップだけど。
 さすがに1客10万円を超えるカップを買える身分じゃない。その後、マスターが年で引退して店が閉店したのを、届いた年賀状で知った。今、ネットで調べても同じのは出てこない。なんか、違う気がする。デザインも時と共に変わるんだろう。

 ルードビッヒと昔のメイドとの掛け合い、楽しかった。何、弁解してんだよ。隙のある男は、ツッコミがいがあって、楽しい。
 そうだね、ルーちゃんは隙があんのよ。だから妄想できてしまう。あんな懐中時計持ってるだけで、隙だらけやんか。

 ルーちゃんを動かすには、どうしてもジョセフィーヌの件を、彼自身に解決させる必要があった。そうしなければ、彼は動き出せない。死者と共に一生いたいのなら、ともかく。
 年月によって感情は変わっていく。恋愛に賞味期限がある事を、私は否定しない。その感情がどう変わっていくのかは、人それぞれだけど。この二次小説の2人だって、いつかは色恋は消え、信頼のみの関係に変わるかもしれんし。

 事件は何にするかも悩む。舞台北海道で、地震は避けたい。列車事故やその中での事件も避けたい。と言うわけで、今時ありえない、銀行立てこもり。為替レートはどのくらいかと思ったが、多分、円の代わりのダラー単位じゃないかと思って、そう使う。
 古臭い拳銃なのは、レーザー銃を避けたから。レーザー銃が可能だとしたら、傷口はかなり悲惨な模様。グロテスクな表現を書きたく無い。グロいの、苦手。あと、レーザーだと発射音、しなさそうだし。

 悪魔の壺を絡めて無いのは、私がファンタジー系に興味が薄いため。いや、ハリーポッターは面白くて原作本、全巻持ってるけどさ。読むのと書くのは違うし。
 気づけば、ルーちゃんを書きたくて始めたのに、彼のカッコいいシーンがねえじゃんか! ニヤニヤ笑えるシーンばかり。まあフラれ男のルーちゃんだから、そうなるんだが(笑) 結局、ミレーヌという女を描く形になってしまった。
 一番最初の過去の話を書いた時に、タイトルが思いつかなかった。悩んだ末に「形の無い月」にして、2作目はダンス的な物を入れたかったが、月にダンスとかワルツとか付けると、予想通り検索で沢山ヒットしちゃうので使えない。で、舞姫にした。
 となれば最後も月で通し、そりゃ独唱アリアだよなって。月はフランス語で女性名詞だし。
 ルーちゃんのカッコいいシーンは、原作アニメの方で、ご堪能を。(笑)

私はウルフに撃たれそうだ。

 前2作のラストシーンは最初から決めていたが、今回は違う。
 思い描いたラストシーン、ハッピーエンドにしたかった。

ルー「ミレーヌに子供ができた」
 ミレーヌ微笑む。
ジタンダ「ぎえええええ! 誰の子です!?」
ルー「私の子だ。総統の子として育てる」
ジタンダ「ふええええぇ!」
ウルフ他「総統、おめでとうございます!」
キャット「ジタンダ、あんた気づいてなかったの?」
シャークとか「公然の秘密だろう」
 そして皆が笑う。

 けれど、どこをどう考えても、彼らのキャラクターと行動では、そんな幸せな場面は、来ない。狂信的な集団なら、それもあるだろう。自らを正義と信じる者達なら。しかし彼らは違う。自分で選んだ悪の道。闇に行きる者達は、普通の幸せを望んじゃいけないんだよ。

 ミレーヌが出産する終わり方も考えた。その時は、やはり独り。アリア(独唱)というタイトルには、相応しいんだが。

 出産した彼女にルードビッヒから、母の肖像が送られる。赤子を抱いた彼女は、それを見て微笑み、涙する。
「ありがとう、ルードビッヒ」
 そして赤子に「愛してるわ」と口にする。

 それは絵になる。けど悲しすぎる、つらすぎる。主に書いてる私が。ミレーヌに救いはあっても、ルーちゃん救われないし。

 ルードビッヒとジョセフィーヌの関係とその後は、制作者の男性陣の思いが溢れてるよね。ある種、10代の少年くさい、と言ったら怒られる? わはは、ごめん。でも男の視点だよな。
 まあ、私自身について性別は宣言してないけど、読んでりゃ判るよね。だから女の視点から、書いてる。

 そんなわけの結末。今後、2人に子供ができる事は、無い。
 フューラーは、愛に遠い人だったね。愛を利用はしても、彼自身は愛を知る事が無かったのかな。アニメで代々科学者って言ってたけど、どういう家庭かな?
 ウルフとキャットの仲は、進展しない。ウルフは自分の信条には厳しい男だから。娼館に馴染みの女くらい、いるだろう。

 調べついでに面白かった記事。少し古いけど。

 ルードビッヒの根幹を覆してしまったので、山ほど石が飛んできそうだが、そもそもアクセス数が少ないから、まあ大丈夫かな?


 お願いです。ルードビッヒファンの人、私に刃物を送らないでください。




小説の匣

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