形の無い月・あとがき

2021/10/25

二次創作 - 形の無い月

 ルードビッヒが大好きだが、ミレーヌも非常に好みである。オリジナル作品において、彼女は自分の過去の大事な部分を知る事なく、クライマックスまで登場する。
 さて、彼女はどんな過去があったろうか、それを二次創作してみた。
 TVアニメ「未来警察ウラシマン」は1983年作で、2050年を予想して製作されているので、舞台として書こうとすると、一番引っ掛かるのが以下。

・モバイル通信機器(携帯電話・スマートフォン等)が無い
・パソコンも無い
・当然インターネットも無い

 1983年だと、パソコンはせいぜいオフィス需要が始まったところ? 日本ではワープロ専用機が企業に使われ出してた⋯⋯かなぁ? 個人だとまだ高価だったと思う。
 オリジナル作中に「電子カメラ」の単語が出てくるけど、今日で言えばデジタルカメラに相当するかな。えーと、1993年ごろ?で、企業ユースのデジカメ(液晶画面無し)と入力用機器 + パソコン + ISDN回線のシステムあったけど。
 未来を予想するのって、難しいよね。

 秋田書店発行「未来警察ウラシマンGRAFFITI」の年表によれば、2050年ミレーヌ30歳(2020年生まれ)、ジタンダは22歳(2028年生まれ)、もうミレーヌ様、産まれてんじゃん!
 オリジナルの設定、ミレーヌの出身はロシアなので、母親はロシア女性にした。ジタンダはカサブランカ出身とある。モロッコね。なんで国名じゃなくて都市名なんだ?と思ったけど。なお、先の「GRAFFITI」にある、ジタンダの設定「大金持ちのボンボン」は、無視した。他の関連書籍でも、それ採用してないしね。無理ありすぎ。
 オリジナルでジタンダはミレーヌになついている感じなので、2人が先に出会う設定とした。後にジタンダはルードビッヒに出会い、傾倒するわけ。
 ファーストシーンとラストシーンは、初めから決めていた。
 生年設定はあっても、星座設定しか無いので、誕生日の特定はしていない。ミレーヌは天秤座、9月23日 - 10月23日の間。10月中旬あたりを想定。天秤座って、意味深。その天秤に乗っているのは、何だろう?

 パリ16区、パリはアパルトマンばかりで戸建てなんてないじゃ無いか? いやいや、ただでさえ高級住宅地16区でも北の方とか南の方に、超高級戸建てあるんだよ。フランスの不動産会社のウェブサイトで調べたら、日本円で数億超えのヤツね。

 苦労したのは、仕掛けの章。銃を何にするか調べて設定はしたけど、名称まで要らんだろうと、特定はしてない。結局、細かい部品を描く必要は無いと思うのでお読みの通り。
 私は昔、海外旅行でそれなりに実銃は撃っているが、もう昔過ぎて、イロイロ忘れてしまった。別にガンマニアじゃないので。ただ撃ってみたかったという。

 フランスにおいて家庭教育は2021年の現状、少なくて、しかもマクロン大統領が健康上の理由以外の家庭教育は廃止とかおっしゃってるんだが。そこんとこは、フィクションという事でご容赦を。学校でも飛び級・留年・飛び入学は結構、ある話のようだ。
 厳しいとも言えるが、逆に学力の低い子を進級させて落ちこぼれにしないため、が前提みたい。でも最近は小学生の留年は止めた方がいいとかの論調もあるそうな。

 街角と映画館シネマの章がコミカルになってしまったのは、ピエトロくんのせい。
優等生的な少年を配置し、ミレーヌちゃんも淡い恋心を抱く予定。が、書いてる内にどんどん可愛い少年になってしまい、彼女が異性として意識する事が無くなった。
 頭の良い少年が哲学の話とかするの、書けない。フランスは高校で哲学の授業あるし。映画マニアにしたのが、まずかったか。
 がんぱるピエトロくん、書きながら「ごめんよ、君はフラれる運命なんだよ」と同情する。あ、タイトル思いついちゃった。『ファースト皮膚接触の男』、いや、書かないけど。学園モノになっちまう。

 痴漢の小指を折るのは、知人の話。医療関係の方なので、体の構造に詳しい。どこをどうすれば何が起きるのか知っている。結構、簡単に関節から折れるそうな。医療関係者あるある。やり方聞いたけど、悪用されても困るので詳細は書かない。全治3週間くらいだって。

 ヴィクトルがブン投げたエッシャーの図録、モデルはこれ。2018年東京・上野でのエッシャー展(想像通り、混んでた)。

エッシャー図録・表裏

(別に出番は無いが、アニメ38話の金庫番、ミスター・フォーチュンて、私はピーター・セラーズ主演「天才悪魔フー・マンチュー」を思い出すんだよね。フー・マンチューは爺さん役だけど、なんか色気がある。そういや、これも不老不死を求めてたか。コメディ、評価は高く無いけど、私は好きだ)

 仕掛け以上に苦労したのは、7月14日。私はアクションは深い興味が無いので、さあ、どうしようかなと。カッコいいアクションなんて、まるで想像できんわ。
 それとサブマシンガンは撃った事、無い。観光客では50口径のデザートイーグルは撃てても、サブマシンガンなんて凶悪な物、無いから。50口径は2発撃ったら、もういいや、と思えるくらいの反動。弾の商品名が「SAMSON」なのが笑えた。(サムソン、旧約聖書の力自慢の男の名前)
 アメリカのウェブサイトをひたすら調べたけど、マシンガン系で撃たれた人間の様子は、わからなかったなぁ。拳銃で撃たれた人の状態(もちろん科学的な予想として)を解説してる、日本のウェブサイトや動画はあったけど。
 それから申し訳ない。2038年7月14日の月の出は22:48だった。花火の時、まだ月は見える位置にないや。

 しかし、なんでこんなに重たい話になっちまったんだろう。私の癖ではあるが。設定を考えた際に、重たくなるしかなかった。最初から答え(ラスト)が決まっている数の、方程式を考えていく作業。

 オリジナルのウラシマン、ミレーヌは、父とルードビッヒ、2人への思いに悩むわけだから、当然父への愛情がある。それを成立させるために、こんな内容となった。
 初めて書いた二次創作だが、面白かった。普通にオリジナルを書くのと違って、途中の方程式をどう作るか、整合性を持たせるか。
 それと、文章を書いてても、泣けるのね。知らんかった。自分の心が侵食される。後々のオリジナルへの整合性のためには、過去の人になっていただかないと、心が決まらんやろ。ごめんよ。

 「別れなくちゃ」「忘れなくちゃ」と思うと、想いは残るよ。しなくちゃ、は外からの規範だから。「別れよう」「忘れよう」と自分で決めれば、意外と心に区切りはできるもの。
「タバコ、やめなくちゃ」と思っている私である。

 今回で自分にとって色々な、初体験。断言できる。こんな事でも無けりゃ、一生、銃撃シーンなんて書かん。ガンマニアの人、あんま突っ込まないでね。
・こんな長いの、書いた事、無い。
・外国舞台の、書いた事、無い。
・銃撃が出てくるの、書いた事、無い。

 400字詰め250枚超えた。昔の事だが、せいぜい400字詰め60枚程度しか、書いたことが無い。どうしてこんなに楽しく長々と書けたのかと言えば、キャラクターが好きだから。
 自分の他のマイナーな趣味について小説を書こうと思った事もあるが、あらすじは決まったものの、筆が進まず(タイピンが進まず、が正しいか)、頓挫した。話で書こうとしてたからかな。キャラクターに惚れてなかったからだ、と今更に納得。

 舞台をフランスにしたせいで、色々調べてフランスの生活に詳しくなってしまった。行った事も無いのに。
 あんまりフランスのページばかり調べるせいか、ついに一時期、現住所がグーグルでフランスになってた。

グーグルにフランスと言われた

 なお、形の無い月とは、新月の事。
 BGMにして染みるのは、全然別のアニメ「カウボーイビバップ」のエンディング「THE REAL FOLK BLUES」だ。
 ウラシマンの二次創作、あと2つ掲載予定。ネクライム側しか書かん。そっちはミレーヌちゃんじゃなくてミレーヌ様で。もちろんルーちゃん登場で。
 次の短編は重く無いよ。

 それと本編には直接関係も無いけど、関連で調べてて面白かったウェブサイト。

 ポスド苦日記

 ピアノの先生あるある(ミント音楽教室内)

以上。
小説の匣

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