女性キャラ、好みの原点は不二子かも

2023/04/05

雑記 - ただの、つぶやき

 私はキャピキャピしたティーンエイジャーでは無かったので、アニメやマンガのフィクションにおいても可愛らしい少女キャラクターに惹かれる事は無かった。大人の女性に惹かれた。
 考えるに10代どころか、もっと以前から、そうなのではと思い返す。
 何せ昔の事なので、現代のようにメディアが溢れている時代では無い。幼児までは本は親がたまに与える絵本くらい、幼稚園に絵本あったかな? 覚えてない。さして多くも無い家の絵本は、すぐに読み飽きる。
 残るはテレビ。アニメはアメリカ制作のドタバタコメディを日本語に吹き替えた物。もちろん当時はそんな事などわかりもしないので、単純に「テレビまんが」。あ、日曜の「サザエさん」もあったか。
 子供がサブカルチャーに触れるのは、TVアニメが最初じゃないかな。マンガは文字が読めるようにならないと楽しめないからね。それにスイッチひとつでTV画面に現れて、受け身で享受できるアニメと違って、マンガは雑誌なりの媒体が必要だ。幼児は親が与えない限り、自分では買えない。
 新聞の4コマを除いて、マンガは小学生になってから、買い与えられた小学館発行の学習誌で読んだのが最初だと思う。学習誌とはいえ「ドラえもん」とかマンガが数本掲載されてるからね。

 小学校に入れば図書室がある。そこで初めて自分で本を選び出す。絵本から児童文学へと移り、夕方には子供向けアニメをテレビで探す。私の親は共働きで、母が帰ってくるのは夜7時過ぎが通例なので、それまではどんなテレビ番組を観ていようが自由だった。
 ストーリーアニメ、最初に何を観ていたかは覚えてない。だが一番お気に入りであったのはルパン三世。1作目のやつ、俗に言う「旧ルパン」。本放送は知らない、夕方からの再放送。10歳より前から観ていたと思う。再放送、何度もあったし。
 面白いんだよね、大人の雰囲気で。子供が大人の世界を隙間見て、背伸びした感じになる、そんな気分。OP曲からしてカッコいいしね。ED曲も、切なくて大好き。
 魔法少女モノのアニメも観ていたが、なんだろう、小学生のあたりで卒業しちゃった感じ。幼い頃なら魔法少女でも憧れたかも。でもじきに自分がキャラクターの年令を追い越してしまう。するとそれは「憧れ」ではなくなる。憧れは、もっと先の年代の女性に求めるから。だから大人の女性がいい。10代の頃から少女キャラクターに愛着が湧かなかったのは、そういう理由。
 そして「大人」になれば、年令は意味を持たない。大人は大人。それひとつで大きなカテゴリーになるので、年下だろうと憧れる対象になりうる。
 そう考えると、自分の好みの女性タイプの原点は旧ルパンの峰不二子じゃなかろうかと思うわけ。

 旧ルパンの不二子ちゃん、すごく好き。声の二階堂有希子さんが、いいのよ。キツいだけじゃ無く、柔らかい声で、でもさらりと男を手玉に取る。男に媚びる時でさえ、品の良さがある、魅力的な声。

 第9話「殺し屋はブルースを歌う」、ラスト間際の負傷した不二子をルパンが抱き抱え、小屋を出るシーン。後ろからルパンに銃口を向ける殺し屋プーンに不二子が口にする「撃たないで」、続く、銃声。
 以前Twitterでもつぶやいたが、このシーン、たまらなく好き。たった5文字のセリフ「撃たないで」。小さく叫ぶ、という単純なセリフじゃない。昔の男と今の男、残る想いと、哀しみと、決別と、いくつもの重なり合う感情が込められた、5文字のセリフ。上手い、上手過ぎる、二階堂さん。
 さてルパンはどうだったのかね。無防備に自分の背中をさらし不二子を抱き抱えたまま、プーンに対抗するように身を処するのは難しいか? 彼は、どう思っていたのだろうか。そもそも男2人が女を取り合うなら、男同士の勝手な争いだ。そこに当事者の女の意思は介在しない。だが不可欠なのは女の選択なのだ。
 ルパンは彼女に「選ばせた」のだろうか? だが「選ばれない」可能性を考えはしなかったのだろうか。選ばれずに、自分が撃たれる可能性を。それとも選ばれずとも自分は、かわせるとでも? 命を賭けるほど不二子を求めた? そこまでロマンティスト、かなぁ?
 いや、ルパンはロマンティストだとは思う。思うが、自分の生殺与奪権まで女の選択にまかせるだろうか。ロマンティストだが同時にリアリストじゃないかね。女自身に撃たれるのなら、まあそれもいいか、と笑いそうだが、相手の男に撃たれるのはゴメンだよって。
 やはりここは彼の持ち前の運動神経の良さで、もしもの時は相手を撃ち殺す事が前提なんだろうと想像する。
 そして、彼女は選んだ。

峰不二子
ルパン三世 ©トムス・エンタテインメント
 第2話「魔術師と呼ばれた男」も良いですなー。男2人に揺れる心。タイプの違う2人に惹かれる事って、あるじゃん。パイカルは不二子を、自身の秘密ほどには必要としていなかったけどね。それでも、恋は恋。

 ところで第3話「さらば愛しき魔女」ラストシーン、撃たれたリンダは花のように散って消える。死んだのだろう、とは思えども、あれって何? と子供の頃は理解できなかった。
 「魔女になってしまった」から死ぬ時は花のように散り消えるの? そりゃ変じゃない? 人間は花にならないよ、と。映像による比喩なのだろう、あれは。実際には花畑の中にリンダの死体が横たわっているんだろう。直接表現を避けたのだと、今では思う。
 そこんとこ、子供には伝わらないって! まあ子供向けのアニメを作ってたわけじゃ無いんだろうが。

 2作目のルパン三世は、ビビットな配色で、オシャレなオープニング。キャラデザインもだいぶ変わってる。でも不二子の描かれ方が「男性の想像するステレオタイプな悪女」なので、私にはイマイチ。どうも平面的な女性像なんだよな。しばらくは視聴したけど飽きて、やめた。でもアルバトロスと最終回は事前情報により、当然視聴。

 パート3は、第1話しか観てない。ルパンのピンクのジャケットと緑のシャツという組み合わせに目が耐えられなかった。話的にも2作目みたいだな、と思ったのもある。
 4作目のヒロインは不二子じゃ無くて、レベッカ。面白かったけど、ちょっとファンタジーに寄り過ぎたかな。ああ、OPは凄かった! ED曲の石川さゆりさんもステキ。

 ルパン三世パート5、面白かったけど、大いなる不満がある。ルパンに対し、不二子が言う「私は、あなたの何?」。
 ええっ、不二子にそんなセリフ、言わせちゃうの? そんなつまんないセリフを。ちょっとガッカリ。相手が自分をどう思っていようが関係無い、自分が相手をどう思っているかで行動を決めればいい、そんな女を期待してたんだが。まあ、視聴者の勝手な期待だけど。
 ルパンと不二子、恋人同士なら上手くいく。共に暮らしたら、そうだね、退屈。それはなんか納得してしまう。暮らす事は安定であり、日常。恋は色褪せる。恋は生ものだから。

 そいういや「ルパン三世」中高生くらいの時だったか、原作マンガの単行本を読んだ。買いはしなかったので、多分、本屋で立ち読み。まあ、何ですな、子供には刺激の強い表現がございましたな。そもそも大人向けの作品だし。

 アニメだけでなくマンガも色々読んだが「好きっ」と強く心に残っている女性キャラクターが少ない。面白いマンガはたくさんあったし、いまでもマンガ読んでるけど。アニメは声の存在、大きいかな。生身に近いという。

 ちなみに好みの男性キャラはと言えば、当然、口説いてベッドに押し倒したい男よ。

小説の匣

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