11月2日、声優の北浜晴子さんが他界された。
(11月10日に所属する青二プロダクションより公表)
自分より年上の著名人がこの世を去っていくのは仕方が無い。それだけ自分が年をとったという事なのだ。人の死は自然の摂理。わかっていても、やはり悲しくつらい。北浜さんは86歳。ある意味、ファンとしては覚悟している年齢ではある。
彼女は、往年のアメリカのTVドラマ『奥さまは魔女』(原題:Bewitched なんだね)主役サマンサの吹き替え声優として有名である。
あるいはアニメ『マジンガーZ』の悪役、あしゅら男爵の女性面。『宇宙海賊キャプテンハーロック』の敵役ラフレシアなど、様々なキャラクターを演じてきたが、私にとっては、ひたすら『未来警察ウラシマン』のミレーヌ様である。
『みなしごハッチ』は、幼い頃なので女王蜂の声に記憶は無い。
『奥さまは魔女』夕方?の再放送で。楽しいコメディだが、ダーリンとの日常的なキッスシーンが子供にはドキドキした。(多分、生まれて初めて見たキッスシーンだと思う)そう、クライマックスでの甘美なキッスでは無い。夫婦とは言え、ふつーに挨拶がわりなのだ。日本では、まずありようが無いシーンなので、アメリカ人はこうなのか、と知識(?)が増えた。ただキャストの名前まで気にした事が無かった。
『ウラシマン』に再熱して、あれこれ調べ始めてから、あれ? ミレーヌ様って、サマンサだったんだ! と驚く。思い出してみれば、確かにあの声だ。おちゃめで陽気で愛くるしいサマンサとはイメージが違っていたせいもあり、まるで気付かないでいた。
ミレーヌは、気品あり、落ち着いた色気のある、大人の余裕たっぷりの美女。あまりにも魅力的な、声と演技。
ルードビッヒ役の塩沢兼人さんが亡くなった時も、事故で若かった事もあり、「ルードビッヒが死んでしまった」と、かなりのショックで涙が落ちた記憶がある。だが当時はまだ私は一般視聴者だった。
現在の私はウラシマンの二次小説に手を出している。すでにこのブログで掲載している3作、原作設定を踏まえた上で創作した内容だが、主役はミレーヌと言っていい内容だ。謎のある彼女は想像する余地が大きいし、大変私の好みの女性だから。
書きながらキャラクターの声が脳内再生される。それが楽しくて仕方ない。私の中で彼らがドラマを演じてくれるのだから。自身で書いた事により、ただ視聴者であった時よりも、キャラクターへの強い思い入れがある。
だからこそ、北浜さんの訃報は自分にとって「ミレーヌ様が死んだ」と同義語であった。
今もう1作、ミレーヌの話を書いている途中だ。私の脳内では、現在進行形、絶賛上映中のミレーヌ様なのだ。そんな時に訃報とは。
だいぶ年上ではあるが、ずっと憧れてきた親戚のお姉さんが亡くなったくらいの衝撃。
旧Twitterで彼女への追悼コメントを眺めていたら、涙が出た。なんだか涙が止まらなくなったので、酒を飲む。今、こうして記事を書きながらでも泣きそうだ。
本当に、本当に、その素敵な声で命を吹き込み、素晴らしいキャラクターをありがとうございます。死者に届く言葉は無いが、感謝を伝えたい。
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