国別の文化の違いに、おののく

2023/09/24

雑記 - 創作関連

 あああああ、しまったああああ! と、心の中は真っ青な顔色の私。
 いやね、1本書こうと思ったの、ウラシマンの二次小説。ざっくりとした流れはずっと持っていたので、そろそろ書こうかと。細かい設定を決めていくのに色々調べるんだが、そこで突き当たった現実の壁。

ホステス・バー

 ミレーヌがネオ・トキオにくる少し前の話。ルーちゃんの出番も少しある。ゆえに舞台はパリ。自分の中の設定では、ミレ様は高級ナイトクラブに潜入してるんだが、イメージとしては銀座の、それ。すでに書いた2本の小説の中で、少し触れている。

 ところが接客係の女性が横に座るホステス・バーって、日本独自の文化らしい。えっ、それは知らなかった! そこは調べてなかった! パリって大きなキャバレーがあるし、当然ホステスがいるバーもあるだろうと思ってた! 
 ホステス・バーと呼ばれる店は東アジアの国々にも存在するようだが、過去の歴史から日本文化が持ち込まれて根付いたのかもしれない(現地の人が店を利用するかどうかは不明)。またアメリカやカナダにいくつか存在する店は、駐在する日本人向け。いずれにせよ、ヨーロッパには(日本人向けを除き)存在しない業務形態だ。あああ、大失態。

 かつてアメリカのみならず世界各地でも存在した「プレイボーイ・クラブ」にしても、グラマラスなバニーガールはウェイトレス業務のみであり、客の隣に座る事は無い。座れないように、丸いかわいい尻尾が付いてるらしい。客からホテルへ誘われても応じるのは禁止だそうな。(調べついでに知った事:バニーガールはTバックのショーツを使用だと思ってたけど、それ以外にもCストリングって下着があるのね。考えた人、すごいな)

 日本以外でホステス・バーが無い理由は「性的サービスが無いのに、高い金を払って酒を飲むのが馬鹿らしいから」だそうで。なんとも単純明快。
 酒を飲みたいならバーで、彼女(彼氏)が欲しいならバーの客に声をかける、性的サービスが欲しいならそれを商売にしてる店で、って事のようだ。

 普段出会えないような美女を横にはべらせ、酒を飲みつつ会話を楽しみ、疑似恋愛を楽しむ(最終的にはベッド・インの妄想はある)、そんな形は理解できないようだ。いや、私も実際には知らないよ。フィクションから得た知識として。

疑似恋愛を楽しむ文化?

 日本は芸者の文化があるから? 芸者は娼婦では無い。まあ、私的にそういう事もあるかもね、くらいで(あくまでも時代劇の頃。現代ではありえないね)、前提として性的サービスでは無い。酒宴の席で、歌や音楽、踊りで客を楽しませるのが仕事だ。
 そもそもかつての遊郭だって、高級な花魁は金を払っただけでベッド・インしない。何度か廓に通い、さんざんお座敷遊びをして、ようやく目的にたどり着く。形としては盃を交わし(つまりは結婚の誓い)、かりそめの夫婦の形になってから、ようやく。じりじりと待たされた疑似恋愛ゆえに、そりゃあ満足は高いでしょうね。もっと気に入れば大金払って、店から花魁を買って、妾にする。
 ただセックスするだけなら、性欲処理。そこに偽物でも、恋というスパイスが加わればそれはそれは心も満たされて楽しい事でしょう。でも、基本的にそんな遊びができたのは大金持ちの男だけ。
 遊郭という売春を目的としている場所で、そんな面倒な事、あり得ない! とか、他国の人は言いそう。でもさ「椿姫」のマルグリットも高級娼婦でしょ。つまり、それと似たようなものと考えれば納得できないかな? (彼女は身売りされたわけじゃ無いが)

 大金持ちの男しかできなかった高級花魁との関係は、現代なら銀座に代表されるような高級クラブ・バーで、そこそこ金持ちの(主に中年以降の)男が似たような事を経験できる。ただし、ベッドは用意されて無い。庶民だと、店は利用料金の安いキャバクラとかになるんかね。
 もしかしたら、の期待感と、ひと時のデート気分のために、男達はせっせと店へ通う。

 擬似でも真でも、その恋愛対象が店のホステスになるのはなぜかって、高級店の客はほぼ既婚者のおじさんだから、周囲に若い女性はいないし、仕事関係の女性とそういう仲になるのは面倒事の元だから避けたいんじゃないの?
 若者のキャバクラ等は、出会いが無いとか、自分に自信が無いとか? 相手は商売だから、喜んで話を聞いてくれるし、笑ってくれる、自分を(店で)待っててくれるって思えるからかね。
 いずれにせよ、金の切れ目が縁の切れ目だけど。

「推し」ってさ

 ふと、思っちゃった。最近耳にする「し」って、似てないか?
 大好きなアイドルやアーティスト、そこに時間とお金を注ぎ込む。
 アイドルに惚れて、毎回ライブに行ったり、同じCDを何十枚とか何百枚とか買って握手してもらい、少しでも近づきたい。とは言え、どう考えても手に届く相手では無い。でも「もしかしたら」の小さな小さな希望はあったりする? 
 いや、対象が人間ならまだいい。二次元のキャラクターに惚れてあれこれ費やす人だって多いわけだし。私も人様の事は、まったく非難できないが。
 二次元キャラに惚れても、見返りはまったく無い。口説く事も、ハグする事も、キッスする事も、ベッドに押し倒す事もできない。ただ妄想あるのみ。

 前に読んだ小説を思い出した。歌舞伎の女形に惚れた外国人の男性が、本人に会いたいと切望する。取引先の担当者は苦労して、その歌舞伎役者と同席する食事会をセッティングするのだが、その場になって外国人男性は「違う!」と怒るのだ。
 彼が会いたかったのは舞台を降りて化粧を落とした役者本人ではなく、舞台で演じた女形のキャラクター自身だったのだ。彼はキャラクターに惚れてたのだ。あのお姫様に会いたい、話がしたい、お近づきになりたいと本気で思っていたのだ。
 なんか、すごくわかるわあ。
 同時に、どーにもなんないなーという虚しさはある。二次元のキャラに惚れて、どうするよ? と軽く悩んだ時期もあった。リアルの男を口説く方が、よっぽど健全。

 夢、なんだろうなあ。憧れとも言う。恋に恋する少女と同じか? 究極の自己愛か? 疑似恋愛という事についてはホステス・バーに通う男達の方が、よほど現実的に思えてきた。
 まあ、いい。ただ、連想して「推し」が出てきちゃうって、これは日本独特の文化の流れなんかね。「推し活」をする事で、心がときめいて、それが日々の活力になるというメリットはあるようだ。

 ずいぶん話が脱線した。当初の問題、どう対処すべきか悩み中。設定をどうにか変えて書き直したい。どうすりゃ、いいんだ? 
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 とりあえず、該当部分は修正した。考えるのに苦労した。
 新しい話、内容が予定と少し変わっちゃうな。(9月26日)

小説の匣

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